仕掛けは簡単で、ただの導通性のある水性塗料というだけ。
これを通常のペンの形にしているだけです。
ペンで描いた線に電気が通る。
すごくシンプルで分かりやすいシステムです。
だからこそ自由と可能性を秘めたアイテムといえます。
例えば、災害時で緊急に明かりが欲しくなったり、電気が欲しくなったりした時。
このツールは、人間の叡智と手先の技術次第で、いつか誰かを救うことができるかもしれません。
こういうシンプルなんだけどパワフルなプロダクトというのは、身震いがするほど興奮しますね。
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Bare Conductive(公式・英語)
http://www.bareconductive.com/
この製品をデザイナーが作ったという事実は、大きいです。
もし、このパッケージがお洒落ではなかったら。
もし、迅速でクールな情報発信がなかったら。
もし、WEBサイト内でコミュニティが形成されてなかったら。
・・・この製品は、ただの「通電能力のあるインク」という工業製品として、回路の補修材料などで使われるような形で終わっていたのだと思います。
デザインの力によって、この製品の楽しさが伝わり、子供にも無害であることがアピールされ、新しい製品として万人に受け入れられ、そして多くのクリエイターの目にとまることになったのではないでしょうか。
「Bare Paint」は、アンテナの高い世界のクリエイターが早速手に入れて、様々なアート作品を作り出しています。
公式サイト内にはたくさんの動画のチュートリアルがあり使い方を学べるのですが、それよりもクリエイター達によって投稿されたプロジェクトの方が、面白いと思います。
人間同士が触れ合うことで音楽が奏でられる「Humanthesizer」プロジェクトで使われた身体に塗られている特殊インクも「Bare Paint」ですね。
■Calvin Harris - Humanthesizer - the first human synth
動画へのリンク:http://youtu.be/f06aZ0yoJv8
ものすごい新発見や新技術でなくても、アイデア次第で新しい表現や新しい製品となる。
「Bare Paint」は、これからが楽しい製品であると同時に、デザイナーに色々な気付きを与えてくれます。
■お絵描き感覚で電子回路が「描ける」Bare Conductive Pen – geared
http://geared.jp/editors/2013/02/bare-conductive-pen.html
■デジットBlog:水性導電ペイント「Bare Paint」
http://blog.digit-parts.com/archives/51859651.html