このダンバー数の数式は、大脳皮質の大きさに比例するというところから推測できるように、結局のところ「認知」の限界になるのでしょう。
僕は経営学をやっていないので全く分からないのですが、会社組織などでも引用されるそうです。
従業員の数が 150人になったら支店や工場などの拠点を増やして、人数を調整する。
もしくは 150人になったらもう社員を増やさない。
そんな風にして、社風を守る経営者もいるそうです。
従業員150人以下なら何のルールがなくても社員は同じ目標に向かって頑張るが、150人を超えると問題が発生する。
確かに、会社が大きくなったら突然社風が変わるということはよくありそうです。
さて、ネット社会のダンバー数ですが、これを戦略的に利用した SNS もあります。
「
Path」がそうです。
Path は当初「友人は50人まで」と限定した SNS として話題になったのですが、最近上限を150人までと改めました。
Path の戦略は将来を予言しています。
・スマホに最適化されていて、PCからはアクセスを制限されている
・写真を共有しようとするとカメラが起動し、保存した写真からは選べない。「いまこの瞬間」撮影した画像しかアップできない。
・「いいね」しかできない Facebook とは違い、いろんな表情のアイコンで気持ちを伝える
・操作インターフェースは親指だけでできるように工夫。
・「就寝」ボタンで端末画面にロックがかかり、起床ボタンを押すことでアンロックされる。これにより Twitter で見られるくだらない単調な「おはよう」「おやすみ」のやりとりと入力の必要がない。
非常にリアルタイムに傾倒したサービスでプライベートを隠したい人には向かないですが、そのための友人制限150人だと思うと、ちょっと納得。
ダンバー数やサービス設計、画面UI が高いレベルで結びついた完成度の高い SNS だと思います。よくできてる。
インターネットや PC技術の革新は、認知を拡充し続けています。
外部ストレージの存在、Google のようなインターネット検索。
僕らは必要な時に思い出すことができて、また新しく知ることができる。
ダンバー数は強固で親密な友人関係を定数化していましたが、現代のインターネット社会はもっと希釈で薄っぺらく、弱い人間関係を量産しています。
そんな現代のコミュニティを支えるデザインは、ダンバー数をどう捉えるか。
コミュニティという機能を考える上で面白いです。
■「ダンバー数」にFacebookで挑戦 « WIRED.jp
http://wired.jp/2012/03/07/dunbars-number-facebook/
■ダンバー数とソーシャル時代の人間関係の変化【湯川】 | TechWave
http://techwave.jp/archives/51527227.html
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ロビン・ダンバー - Wikipedia