「全天周プラネタリム番組」とは、プラネタリウムで使うドーム型のスクリーンに、映画みたいに映像を投影するといったものだと思います(たぶん)。
プラネタリムなんて子供の時以来なのですが、カップルがロマンチックに見に来るものなのかなぁ、と想像していたのですが、
そんなでもなかった。親子連ればかりで、カップルいなかった。いや、カップルは普通のプラネタリウムを見るんですかね。
プラネタリウムに投影した画像を見るので、当然プラネタリウムのようにシートを倒して仰向けに寝転んだ状態で観ることになります。
寝不足だと、寝てしまうので注意。
この寝転んだ状態で、頭上から足元まで広がる映像を観ることになります。空を飛ぶシーンでは足元に空があるので、本当に空を飛んでいるかのような不思議な感覚にもなります。
これは本当に不思議な体験で、絵と音楽の迫力に飲み込まれていく感じというか。
東から星がのぼり、流れて、西に沈んでいくシーンでは、本当に空を眺めているような感じですし。
時が流れて四季が移り変わっていくようなシーンでは、歌や音楽の効果もあって、「時間」の流れを五感で感じられます。
風が吹けば空気を感じるように、その迫力に身体の中の感覚が研ぎ澄まされていくのです。
ただ、目の前の巨大なスクリーン全部が映像なので、隅々まで見ようと頭と眼を動かすと非常に疲れるということだけ難点。
ムービーの内容ですが、ギリシア神話に登場する「正義の女神」アストライアの物語です。
映像の中のアストライアは息をのむほどに美しく、凛とした佇まいに恋心にも似た感情が芽生えます。
亜麻色の髪の1本1本が風にたおやかに流れる様や、白いドレスの裾が慎ましくも華麗に舞う様子など、非常に良くできています。
アストライアの周りで花や木が咲き乱れ、花びらが風に舞い、草木が揺れ、星々は流れて、光が煌めくさまは、ギリシア神話の世界という雰囲気どおり幻想的。
豊かな実りであふれた地上で、
神々は穏やかな人々を愛し共に暮らしていました。
正義は当たり前に行われ、神々は人々と語り合うことができた日々。
──やがて武器を手にした人々は愚かにも戦いを始めます。
多くの神々が人間に見切りをつけて天に帰っていく中、
正義の女神アストライアだけが、ただ一人地上に残りました。
そのアストライアも、やがて──。
アストライアの切なくも人を信じぬく心の強さに、魂が揺さぶられるような感覚。
結果、何か人生の教訓を得られるというムービーではないのですが、この20分ほどの美しい映像体験は、僕の中に激しい感情を残しました。
ムービー:
http://youtu.be/7vDlR9VuDzM
CGを担当した
KAGAYA さんは宇宙と神話の世界を描くデジタルグラフィックアーティストです。
神秘的な絵を描くことに定評があり、特に宇宙の星や光といった表現では最高峰の技術を持っています。
独特の透明感と光の質感は、絵画の技法をデジタルペインティングに応用しているということ。
宇宙ファンタジーという独特の分野というか世界観を持っています。
映像を盛り上げる歌は
ORIGA(オルガ)。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の主題歌を歌ったり、菅野よう子から楽曲を提供され続けるなど活躍中。裏声中心の、透明感があり伸びのある、気持ち良い歌声です。
ナレーションは美人声優の水樹奈々さん。
可愛いけど実力派で、さすがにうまかった。
あまりにも映像と音楽のクオリティが高かったのと、アニメーション内でのレイヤーの重なり方の動きを勉強したくて、その場で DVD も購入。歌声も良かったのでアルバムも購入。
家に帰ってもう1回観てみたけど、何も感動せず・・・。あまり良くなかった。
全天周をテレビサイズ枠内にするために仕方ないけど、端もカットされているから何だか迫力ないし、プラネタリウムで観たような美しい光の再現もないし。
映像で観るよりも、現場で直で観ることをオススメします。
場所は、焼津です。
浜松からだと、高速道路を使って片道 1,300円。
■ディスカバリーパーク焼津天文科学館
http://www.discoverypark.jp/
名誉館長は「銀河鉄道999」の松本零士さんだそうです。
あと、謎のマスコットキャラクターとして「
かめ子」がいます。ちょっと絵柄が古いです。
ちなみにここの
プラネタリウムは 2010年3月にリニューアル導入した最新式で、国内最高水準高解像度高精彩CG投影機だそうです。とにかく凄いみたいです。
夕暮れ時なので、月が見えてる海。
隣がすぐ海なので、デートには良いかも。
僕はデートじゃないけど。
風が強いので、髪の毛はボサボサになります。
園内には、裸足で歩くことで足裏のツボを押す効果のあるウォーキングコースがあります。真面目に歩いたら10分くらいのコースくらい? 軽くアスレチックも入っています。
足裏のツボは全身の痛いところを表しているとよく言われますが、僕も歩いてみたら・・・というか1歩目で痛すぎて歩けず諦めました。地獄の苦しみでした・・・。
健康に自信のある人は、ぜひ完歩にチャレンジしてみてください。