オルファのカッターナイフのプロトタイプは、意外にもプロダクトデザイナーが作ったものではなく、岡田氏のアイデアを実現したものだそうです。
販売戦略には親族にデザイナーがいたことで、やりたい放題にできたことも成功の要因のようですね。
デザイン的には目を見張るような、完成形に近いものがみてとれます。
折れやすく、折れることが見た目にも分かる切れ目の入った刃。
スライドするというギミックを搭載することで、使用する切っ先以外の刃をセーフティーに格納。
普段は刃が出ないように格納するし、折れやすい刃を保護する役目も。
本体の色は、工具箱・文具箱の中にあっても目立つ黄色で、一貫してこのカラーを貫いている。黄色ならオルファのカッターナイフというイメージが浸透している。
素晴らしい。
ひとつひとつに理由があるデザイン。
机上で設計しているだけでは分からない、自分が使用者であることを前提に、使用者目線で設計されたひとつの成果物になっているのだと思う。
もうひとつ、オルファという企業には職人気質なところがあって、全ての材料を国内で生産しているそう。
そして何よりすごいところは、「替え刃」のサイズフォーマットを世界規模で標準化してしまったところ。
あまりにも素早い輸出戦略で市場をオルファが席巻してしまい、後発メーカーが既に市場に出回ってしまっているオルファとの互換性を考えるしかなかったという。
小さな「カッターナイフ」という、机の上に1本置かれるだけの道具が、これほどに世界に浸透していくという成功例はなかなかない。
オルファという企業は、Apple などよりも評価されていいはずの、イノベーションを先駆けた「開発型のメーカー」だった。
後追いするのではなく、常に先を行き市場を自ら開拓していく、メーカーらしいメーカー。純粋に研ぎ澄まされたようなスタートアップ。
日本には良い企業がたくさんありますね。
■オルファ カッターナイフ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
http://www.nttcom.co.jp/comzine/no050/long_seller/
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