スマートスピーカーでの音声入力デバイスが注目される中、近いうちにほとんどの UI として採用されるという予言もあるのですが。ただ言葉を発するより指先でボタンをポンと押した方が速いこともあり、どのような分野とインターフェースが適しているのかは今後のデザインテーマにもなるかと思います。
そしてもうひとつ、古くから多くの人が疑問を持っていてそのままになっていた「キーボード打つより書いた方が速くないか?」という疑問。記録されたものの可読性という点では明らかにキーボード入力の方が勝っており、またペンという外部端末がどこかにいってしまって書けないという刹那のことを考えると一体型のキーボードの利便性は語るまでもなく。
しかしここへきて急にペン入力という UI について実際に自ら試してみたくなり、Apple ペンシルを購入してみました。
これ1万円もするんですね。回路的にはそんな高いはずもなくインテリジェントな機能も持っていないので、これが売れれば企業ウハウハじゃないだろうか。
Apple っぽくない梱包スタイル。
短冊みたいなマニュアルと、替え芯、そして充電用のアダプター。
最初何に使うか分からなかったのですが、USBケーブルの先とペン尻をつなぐメス×メス端子でした。
びっくりしたのは、ペンを認識させるのに iPad の端子にペンを刺すんですね。折れないかとヒヤヒヤしました。
画期的な機能が搭載されているわけでもなく、なんでこんな入力デバイスを今頃出したんだろうと疑問にも思うのですが。Mac コンピュータがデザイナーに使われることが伝統的になっており今でも多く、グラフィック関連に寄せていく方向性もあるかもですね。
僕もデザインの外部講師に呼ばれた時のほとんどの生徒は確かにマウスではなくペン&タブレットで入力していて「器用か」と思ったのですが、逆にマウスとペンを持ちかえるのが面倒でそういうスタイルなんだそうです。
過去には僕もペンタブレットを保有していて描いていた時もあったのですが、描いてる方の手が無意識にペンタブ表面に触れてしまって入力されてしまうことが何度もあり、支え無しで手首を浮かせながら描かなくてはならないのが結構大変だったのですよ。
この Apple ペンシルは手のひらを無視する機能があるため、手首を液晶画面上に置いて描いても大丈夫なようになっています。それだけでも人類は進歩したといえますね。
1週間ほど業務やプライベートで使ってみているのですが、やっぱりペンの持ち運びの不便さが気になり、かさばるのも良く思いません。固定した机の上での作業ならいいと思うのですが、持ち運ぶことに利便性はないですね。
しかし、立ち話をしながらメモをとるときなどは、おそらく片手キーボードでは無理なこともペン入力ならできます。
結局、ユーザビリティの本質通りに、使う環境に合わせて局地的なインターフェースを用意していくのが「便利」ということは間違いないかと。
あとは、紙と違ってツルツルしている iPad の画面を筆記するのには違和感を感じる人も多いかと。
絵を描く人とかは微妙に筆先が滑るので使いづらいような気がします。
紙のような質感の新素材の液晶画面が開発されたら、また違う進展をみせそうですね。
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