レコメンドと製品への愛

yasukawa

2014年05月10日 23:25


YOSHIDA & CO., LTD.

吉田カバンが、「PORTER STAND」という新コンセプトのお店を出したんですって。

■PORTER STAND - ニューコンセプトショップ | 吉田カバン
http://www.yoshidakaban.com/special/porterstand.html

ちょっと概念が頭の中に入ってこないコンセプトだけど・・・。
オープン時には、行列がすごいことになってたみたいですよ。

単純な店舗の業態ではなく、カウンターでの対面接客を中心とするような販売方式なんでしょうか。
デパートでの化粧品販売みたいな。
店の様子が分からないなぁと思って写真を探してみたけど、あんまり見つからなかった。
品川経済新聞にはありました。

■エキュート品川 サウスに「PORTER STAND」-吉田カバンの新業態(写真ニュース) - 品川経済新聞
http://shinagawa.keizai.biz/headline/photo/2081/


ドラッグストアに薬を買いに来る人を見ていても、棚に並べられた商品を選びきれずに、店員さんを捕まえて「この症状に合うのどれ?」といきなり聞く人も多いです。
僕も学生の頃、百貨店でバイトしてましたけど、よく「一番人気で売れてるやつをくれ」と、自分で選ぶことを放棄しているお客さんも多かったです。

そういうこと考えると、今流行の量販店のような「箱山積み」というスタイルではなく、カウンター越しの対面販売の方が時代に合っているかもですね。

つまり「店員おススメ」というレコメンドというかコンテンツが、今の購買行動には合っているということですね。

インターネットがこれだけ発達し、情報は至る所から取得できるといっても、今度は氾濫する情報の中から適切なものを見つけられなくなっているというか。

今のテーマは、たくさんの単位の中からいかに情報を捨てていって限定させていき、取得したい情報の神髄に近づけていけるレコメンドを精製するかというところだと思います。

「絞り込み検索」や「ドリルダウン形式」などの検索システムでは実現しかけてはいるのですが、もっとゆるやかなところでの「比較」ができないというか。

欲しいもの + α。

自分が欲しい情報と、それと比較することで購入意識を決定づける対象。
そういう複数の、そんな見せ方がベストなんじゃないかと。

最終的には「自分自身が選んだ」そんな購買の仕方でないと、自分が所持する商品への愛着のようなものがなくなって、人生は悲しいと思います。
その人のライフスタイルを幸せにしてこその、デザイン。


と、いうわけで、吉田カバン。
学生の頃から愛用しています。
もはやファンといってもいいと思います。

すごくトラディショナルで、今風のデザインではないのですが、そこに込められた職人魂、そして見た目には分からない技術力が込められた素材や製法など、僕はすごく気に入っています。

カジュアルなスモーキーのブリーフケース、それと宿泊用に衣服なんかも入る容量の「オーバーナイター」の2つを持っています。

そんな愛用の吉田カバンの「ポーター」、ついに寿命を迎えました。



ショルダーストラップの金具が経年劣化で摩耗し、接触している金属と金属の、留めている輪っかの部分の穴が広がってしまい、すっぽりと抜けてしまった・・・。

ちなみに、20年以上、使い続けました(!)

おそるべきところは、布が破れたわけでもなく、部品が壊れたわけではなく、金属の摩耗という。
このパーツだけを交換すれば、そのまま使い続けられるかもだけど(さすがに古臭くはなってきた)。

これだけの品質、なかなか無いと思うのです。
僕のようにこれだけの長時間使い続ける人も少ないかもだけど。


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