デモクラティック・デザイン

yasukawa

2014年04月17日 12:00



『デモクラフィック・デザイン』。

イケアのインハウス・デザイナー、マリア・ヴィンカさんの提唱するデザイン手法です。
この言葉は、そのまま「イケア」という企業の商品を現すキーワードにもなっています。

デモクラティックデザイン (みんなのためのデザイン)
優れた品質とデザインは 多くの人が手に入れられる価格であるべきだとイケアは信じています。LAMPAN/ラムパン テーブルランプは、「デモクラティックデザイン」の5つの要素(形、機能、品質、サステナビリティ、低価格)を用いてデザインされました。既製概念にとらわれないというよりも、既製概念を吹き飛ばしてしまったデザインです。
(公式サイトより抜粋)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/this-is-ikea/democratic-design/index.html

「デモクラフィック」とは「大衆的」「民主的」という意味です。
一部の富裕層だけが手に入れられるデザインではなく。多くの生活者が購入できる低価格を実現するための企画・設計をすることと定義されています。

イケアでは、装飾を盛り込んだカッコイイデザインではなく、材質から強度やら耐用年数やら、廃棄時の環境への配慮まで計算されたプロダクトがラインナップされます。

イケアの商品は、スタックできる商品、つまり狭いスペースでも積み重ねて収納できるデザインになっているそうです。
また、配送時に持ちやすい形・重量・サイズになっているそうです。
日本の住宅が狭いことを考えると、このコンセプトは購買客にとっては選択するポイントですね。
誰もが使えるデザイン。誰もが買うことができるデザイン。
ただし、安くするために品質を下げてはいけない。
そういう制約でしばった上で、マイナスの状態から高いデザイン性を追求していることになります。
ビジュアルで付加価値を付けているのではなく、設計企画からプラスになるようになっています。

多くのファンを持つのも頷ける戦略です。


デザインという言葉は、つい斬新さを求めてしまうもの。
斬新さのために使い勝手が悪くなることを避け、使いやすさを重視すること。

ちなみにこれだけ多くの家具を売っているのに、イケアには「畳」がありません。
それは、スウェーデン流の暮らし方を提案するという企業の姿勢を貫いているからだそうです。

下記は、イケアのシニアデザイナーへのインタビュー記事ですが、非常に感銘を受けますので必読です。

再注目される「イケア」 シニアデザイナーが"売れるデザインの秘密"を解説 | INTERIOR | LIFE | WWD JAPAN.COM
http://www.wwdjapan.com/life/2014/04/14/00011268.html


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