シネプリント(CinePrint)、動き出す紙面の広告

yasukawa

2013年02月20日 18:24



浜松でもこの間、学生と企業が協力し合ってプロジェクション・マッピングが行われたようですが。
日本では全くというほど事例がないのですが、同じような演出方法に「シネプリントCinePrint)」という技法があります。

プロジェクション・マッピングに比べて何故こんなに認知度に差があるかといえば、プロジェクション・マッピングの方は派手に東京駅を利用した「TOKYO STATION VISION」がマスコミに大々的に取り上げられ大成功を収めたからだと思いますが。

プロジェクションマッピングという技法は、対象(立体物)をスクリーンに見立てて平面映像を投影することで空間をデザインする演出技法。
シネプリントという技法は、対象(紙)の下に映像機器を入れることで、紙の透過と映像機器の発光を利用して、画像と映像を重ねることで紙面上を動いたように見せかけるという演出技法です。

海外ですが、このシネプリントという革新的な広告展開の事例もあります。

米国のスポーツ雑誌「スポーツイラストレイテッド」に掲載されたトヨタ「レクサスES」(日本未発売)の広告。
どのような広告だったかは、下記 URL から見られます。



■2013 Lexus ES. A Stunning Work of Technology.(公式・英語)
http://www.lexus.com/stunning/

雑誌の下に iPad を入れることで、紙を透けた光が、あたかも車が走り出したかのように演出。
また iPad のスピーカーからはエキゾーストノートが鳴り響き、空間を演出します。

紙の上のグラフィックが動き出すという躍動感のある体験は鳥肌もので、レクサス ES の持つ「未来」「革新的」といったキーワードを表現するにはうってつけの広告だと思います。


と、ここまで読んだ人がまず必ず頭に思い浮かぶだろう言葉↓。

それ、iPad だけに映像を表示すればいいだけで、雑誌いらなくね?』

そうですね。
そんな人は iPad だけで完結する映像を見てればいいと思います。


じゃぁ、こう考えたらどうでしょう。
この映像を見たいがために、車に興味がある人が、普段買わない雑誌を買った


逆に雑誌を持っている人は、普段アクセスしないトヨタのサイトにアクセスしたはずです。
結果的に広告主だけでなく、媒体主まで Happy になるという。
これは紙と WEB の究極の Win-Win ですね。
紙媒体が少し失速していると言われますが、クリエイティブという可能性は、どんな逆境をもひっくり返します。

そういえば服の下に LED 名刺を入れて光らせるというのを、誰かがやってましたね。

これはプロジェクションマッピングと違って大規模な設備が必要ないので、わりとコストを下げて開発できそう。
良い題材があったら自作してみたい。

2011/04/12
最近流行の映像手法、プロジェクションマッピング。見ればどういう手法か一目瞭然なんだけど、インパクトはすごいあります。一度はやってみたいなぁ。ニューバランスの靴を使った映像。センセーショナルな美しさで、思わずNBのファンになってしまって靴を…

 
2012/09/26
ちょっと前には Google とかがリリースしたサービスと他社サービスや技術を組み合わせたマッシュアップサイトなんかが流行した時期があったのですが、なんだか最近はあんまり見ない気がします。と、思っていたら「首都大学東京」の学生さんたちが作ったWEBコンテンツが昨日リリースされていました。

 
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